ロスト・ラブ
クラス分け……。
颯太は、この時から私のことを考えてくれていたんだ。
それが心のどこかで嬉しいと思ってしまう反面、それ以上に、その頃から颯太に気を遣わせていたのかと思うと胸が痛い。
「最初は断ったんだ。祖父に頼めばそれくらいならできなくもないとは思うけど、なんせ颯太の第一印象は最悪だったからね。でも……」
ふと、須藤くんは私の顔を見て笑う。
「聞いたんだよ。そんなに同じクラスになりたい人は、どんな人なのかって」
その言葉に、思わずゴクンと息をのんだ。
ドキドキと、静かに心臓が速くなっていくのがわかる。
な、なんでこんなに緊張してるんだろう。
その時の颯太にどう思われているのかなんて、考えたこともなかった。
当時の私は、ほぼ人間として機能してなかったから。
「『俺の一生大事な人』」
「……っ」
「他には何も言おうとしないくせに、それだけ言ってたよ。颯太のやつ」