ロスト・ラブ


正直同じ班に他の女子がいることが心配だったけど、今の胡桃ならなんとかなりそうだ。

むしろ、これを機に、胡桃のことをちゃんと知ってほしい。


「茜ちゃんこそ、大丈夫?」

「え?」

「ほら、柳くんと須藤くん」

「あぁ……」


心配そうに私の目を覗き込む胡桃に、ひとまず「うん」と返す。


大丈夫、と思うしかない。

……颯太がいれば、たぶん。



「それにしても柳くんたち、なんで胡桃たちに声かけてきたんだろうね」

「え?」


ふとつぶやいた胡桃の視線の先にいるのは、女子たちに囲まれた颯太と須藤くん。


そんなの、颯太が胡桃と同じ班になりたいからに決まってるのに。


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