ロスト・ラブ
「あ、そうだ」
ふと思い出したように、颯太が急に私の目をじっと見た。
「な、なに……っ」
急な至近距離に、ドキドキしないはずがない。
「一応言っておくけど。この旅行中、俺はただお前のそばにいたくて、好きで隣にいただけだからな」
「……へっ?」
唐突な告白に、思わず目を丸くする。
「言っておかないと、義務でそばにいたんじゃないかとか思われてたら嫌だし」
ニッと笑う颯太に、キュンとしたのは内緒にしたい。
あぁ、もう、やっぱり好き。
昨日の方が幸せだと思ったのに、今は今日の方が幸せだと思う。
「顔緩みすぎ」
「な……っ」
「そういうとこ可愛いよな、お前って」
「~……っ」