ロスト・ラブ
いままでになかった颯太からの言葉たちに、心臓がいくつあっても足りなさそうだ。
こうやってこれからも新しい今を過ごしていくんだと思うと、楽しみで仕方ない。
好きな人に好きだと伝えられることが、こんなにも幸せなことだとは思わなかった。
まだまだ抱えたものが全部消えたわけではないけれど。
それでも、もう不安なんてない。
颯太と一緒なら、なんでも乗り越えていける気がするから。
「あ、そうだ、茜」
「もう、まだ……」
まだあるの?と。
言うより先に、颯太の顔が目の前に来て。
「俺も幸せだよ」
唇に触れたその熱に、また『好き』が溢れた。
【Fin.】