ロスト・ラブ
「おばさんは?」
いつもならいるはずのおばさんがいないことが気になって、なんとなく聞いてみた。
「買い物。さっき出たばっかだから、もう少しかかると思うけど」
「そっか」
こんなにそっけなくても、久しぶりに颯太と憎まれ口なしに会話ができてる気がする。
なんかちょっと、懐かしい。
「……なぁ、お前さ」
「え?」
ふと、颯太の方から話しかけられた。
まさか話しかけられるだなんて思ってもみなかったから、びっくりして颯太の目を見る。