ロスト・ラブ


体がふわっとあったかくなるような感情が押し寄せてきて、慌ててそれを忘れようと首を横に振る。


あんな一言で舞い上がりそうになるだなんて、私もだめだな。

だって颯太のことなんか、……大嫌いだもん。


ギュウっと手を握り締めて、うんうんと頷く。


気分転換にコンビニでも行ってこよう。

そう思って、私は近所のコンビニへと向かった。


***


「……茜っ!どこに行ってたの!」


コンビニでから家に帰ってきたとき、しまったと思った。


玄関を開けた瞬間、エプロン姿にサンダルを履いていまにも外に行こうとしていたお母さんがそこにいたから。


< 40 / 285 >

この作品をシェア

pagetop