ロスト・ラブ
他の教科の先生ならまだお咎めなしで済んだんだろうけど、あいにく英語の本条先生だけはそうはいかなくて。
今日中に提出するようにとの条件付きで、出されていた宿題の約2倍の量の課題プリントが胡桃に手渡された。
「う~……。今日は茜ちゃんとお出かけの予定だったのに~」
「頑張って早く終わらせたら大丈夫だよ。それに、今日が無理でもまたいつでも行けるんだし」
「うん……頑張る」
コクリと素直にうなずいた胡桃は、シャーペンを持ってプリントと向き合う。
一生懸命な胡桃の横顔を見ながら、私も胡桃の課題に付き合った。