ロスト・ラブ


「なんか飲み物買ってくるよ。胡桃はいちごみるくでいい?」

「うわーん、ありがとう茜ちゃん」

「うん、すぐ戻ってくるね」


ポンポンと胡桃の頭を撫でて、お財布を持って教室を出る。


胡桃は根っからの甘党だ。特に、飲み物だといちごみるくがお気に入り。

早く買ってきて胡桃を元気づけないと。



自動販売機のある多目的ホールへ着くと、そこにはすでに先客が2人いた。


おそらくどこかの部活動の生徒だろう。

ジャージを着ているし、手にしていたのはスポーツドリンクだ。


「やー、まじだりぃ~」

「まあまあ。部活終わったらどっか飯でも食いに行こうぜ」


買い終えたのか自動販売機から離れていくのを確認した私は、自分も買おうとその場所に近づく。


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