ロスト・ラブ
「───あ……ちゃ、あかねちゃん……っ!」
目を覚ますと、目の前には白い天井があった。
そして視界の端には、涙をたっぷり浮かべている胡桃の顔があって。
あぁ……また心配かけちゃった。
いまだにぼんやりする意識の中、胡桃への申し訳なさでいっぱいになる。
ツンとした薬品の匂いが鼻を掠めた。ここは、保健室……?
「……くる、み」
「っ!茜ちゃん……っ、よかった、よかった~……」
声を振り絞って親友の名前を呼ぶと、彼女の涙はついにこぼれてしまった。