ロスト・ラブ
ゆっくりと体を起こして、泣き始めた胡桃の頭を撫でる。
「ごめん、胡桃。また心配かけちゃったね」
「ううん……っ、違う。ごめんね茜ちゃん、胡桃、守ってあげられなかった……」
ガバッと私の体にしがみついた胡桃の様子を見て、相当心配をかけてしまったことがわかる。
胡桃を元気づけたくていちごみるくを買いに行っただけなのに。
……って、あれ。
「ねぇ、私、どうやってここに来たの……?」
左手首を見ると、はっきりと掴まれた跡が残っている。
……私は、多目的ホールで気を失った。
全身から力が抜けていった感覚まではしっかりと覚えている。
あの男子たちは……?それにあのとき、誰かが来てくれたような……。