ロスト・ラブ

白状する。


私は、この大嫌いな幼馴染が、ずっとずっと、好きだった。


いつからかだなんて覚えてない。

それくらい、私と颯太はずっと一緒にいたから。


でも、颯太はそんな私が煩わしくて避けられるようになって、……私も、颯太に近づけない理由ができてしまったから。


こんなの、忘れようとする以外に方法なんか知らない。


だから、颯太のことは大嫌いなんだ。

私にだけ冷たいのも、胡桃ばかり見ているのも、……気まぐれで、心配してくるところも。


ぜんぶぜんぶ、大嫌い。


「……お前さぁ」

「なに?」


おもむろに、颯太が口を開いた。

今日は想定外のことが多すぎる。


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