ロスト・ラブ
「うわー、柳のやつキッツ~」
「柳くん、そんな言い方しなくたっていいじゃん!」
周りの人たちが、こそこそそんなことを言っていたけど、そんなの聞いてる余裕はない。
私、颯太に嫌われた……?
中学に入ってからずっと避けられてたから、うっすらそんな予感はしていた。
でも、なんか。
面と向かってそう言われると、結構来るものがある。
あぁ、どうしよう。泣きそう。
「そ、颯太の……っ」
「あ?なんだよ」
こぼれそうな涙を必死に抑えて、声を張る。
颯太の表情が不機嫌そうだったけど、そんなの無視だ。
「颯太のバカ!大っ嫌い……!!」
そう大声で叫ぶと、私はカバンを持って教室を飛び出した。