ロスト・ラブ
「……っ、や……!」
それが理解できていても、その男の警察官に助けられることを私の体が完全に拒否した。
涙でぐちゃぐちゃで、手足だって震えて声も出ない。
助けてもらった。助かった。
その事実と感謝の気持ちはあるだろうに、その助けてくれた警察官が"男の人"である以上、私はずっと拒絶しかできなかった。
……そこからの記憶はひどく曖昧で。
どうしようもない私のために別の女の警察の人が来てくれて、お母さんに連絡してくれたというのを後から聞いた。
私を襲った男の人は、すぐに捕まったらしい。
助けてもらった男の警察官には結局直接お礼を言いに行くことができず、お礼の手紙を書いた。