恋かもしれない
メールソフトを開くと、土日に入ったメールがどんどん積み上がっていく。
お問い合わせも含めると、私が処理するべきメールは五十件くらいあった。
今日も忙しくて息つく間もなく仕事に没頭していると、あっという間に時間が経ってお昼になっていた。
いつも通りにお話ししながらお弁当を食べていると、美也子さんのスマホが鳴り始めた。
「あ、主人からだわ。奈っちゃんちょっとごめんね」
席を立って部屋の隅に行った美也子さんは通話を始めて、すぐに戻ってきた。その顔がちょっと嬉しそうに見える。
「美也子さん、なにか嬉しいことがあるんですか?」
「そうなの、実は今日ね、二人が出会った記念日なの。主人がレストランを予約していて、その時間の確認だったわ。遅れるなよ、だって。分かってるのにね」
「わあ! 今日が記念日なんですか。いいですね、ご主人ちゃんと覚えていてくれるんですね!」
そうか。今日は美也子さんとご主人がスウェーデンで出会った日なんだ。
なんだか場所が北欧というだけで、特別にロマンチックに感じてしまうのはいつものことだ。
「そう。主人はね、男のくせに私よりも記念日に煩いのよ。仕事が忙しい人だから、昨日記念日を祝っても良かったのにね。日にちにこだわってるの」
美也子さんはちょっと困ってる風に言うけれど、笑顔はとても幸せそうに見える。
出会って愛し合って結婚して記念日をきちんと祝って、そういう夫婦っていいなと思う。
お問い合わせも含めると、私が処理するべきメールは五十件くらいあった。
今日も忙しくて息つく間もなく仕事に没頭していると、あっという間に時間が経ってお昼になっていた。
いつも通りにお話ししながらお弁当を食べていると、美也子さんのスマホが鳴り始めた。
「あ、主人からだわ。奈っちゃんちょっとごめんね」
席を立って部屋の隅に行った美也子さんは通話を始めて、すぐに戻ってきた。その顔がちょっと嬉しそうに見える。
「美也子さん、なにか嬉しいことがあるんですか?」
「そうなの、実は今日ね、二人が出会った記念日なの。主人がレストランを予約していて、その時間の確認だったわ。遅れるなよ、だって。分かってるのにね」
「わあ! 今日が記念日なんですか。いいですね、ご主人ちゃんと覚えていてくれるんですね!」
そうか。今日は美也子さんとご主人がスウェーデンで出会った日なんだ。
なんだか場所が北欧というだけで、特別にロマンチックに感じてしまうのはいつものことだ。
「そう。主人はね、男のくせに私よりも記念日に煩いのよ。仕事が忙しい人だから、昨日記念日を祝っても良かったのにね。日にちにこだわってるの」
美也子さんはちょっと困ってる風に言うけれど、笑顔はとても幸せそうに見える。
出会って愛し合って結婚して記念日をきちんと祝って、そういう夫婦っていいなと思う。