恋かもしれない
「冗談よ! 奈っちゃんてば可愛いなあ。私が男なら放っておかないのに。ほんとモテないのが不思議」

「やだ、やだ、そんなことないです! とんでもないです~!」

美也子さんてば何て事を言うのだろうか。モテていれば、対男性スキルが上がっているはずで! 

今頃男性とも饒舌に話せているはずで!

「あら、本当のことなのに。もっと自信を持つといい……あ! いっけない。もう四時近いじゃない! ちょっと出荷の様子を見てくるわね」

時計を見た後いそいそと倉庫に向かう美也子さんに「お願いします」と脱力しつつ声をかけ、事務所に戻る。

私も出荷しましたメールを作っておかないといけないし、それと、さっきの売り上げを台帳に入力して在庫表も更新しなくちゃいけない。

頬をペシペシ叩いて気分を変えて、パソコンに向かった。
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