恋かもしれない
理想のパートナー

火曜日の事務所内。

美也子さんは書類を書いていて、私はパソコンに向かってうんうん唸りながらワードに文字を打ち込んでいる。

文章を作っては直して、付け足しては消して。読み返してみて、これじゃ駄目だーと頭を抱えてまた考えて。

ずーっとこの繰り返しで、もうかれこれ二時間は文章作りに奮闘している。

『奈っちゃんブログ書いてみる? 何でも思うままに書いてみて。だけど商品の紹介を忘れないでね』

なんて、とびきりの笑顔付きで任されたのが昨日のお昼前のこと。

美也子さんは軽く言ってくれたけれど、受けた私は半泣きになった。

ブログなんて何をどう書けばいいのかわからない。

一応の定型文があるお問い合わせメールの返信とはレベルが全然違うのだ。

作文や感想文がすっごく苦手だった私には最大級の難関ミッションだ。

「うー、んー、あー、ダメだ!」

こんなときはすっぱり書くのを諦めて、店に出て商品の手入れをして気分転換するのに限る!

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