恋かもしれない
初デート?
松崎さんから連絡がないまま日が過ぎていき、十六日の土曜日になった。
『Lサポート』の佐藤さんと約束がある日だ。
「綾瀬奈津美さん。十四時から。担当は佐藤ですね。はい、二十五番の部屋でお待ち下さい」
受付で番号札を受け取って小部屋で待つ。
パーテーションのような薄い壁のせいか、隣で面談している声がボソボソと微かに聞こえてくる。たまに笑い声もあって楽しそう。
話の内容までは聞き取れないけれど、隣は男性会員さんのようだ。
入り口側の椅子に座っていると、間もなく佐藤さんが入ってきた。
ぽっちゃりした顔にショートカット。
こんにちはー綾瀬さん!と、今日も愛想のいい笑顔を見せてくれる。
「こんにちは」
「それでね、早速なんですけど。このお方が、お会いしてみたいと仰ってるの」
佐藤さんは、抱えている書類ケースの中から一枚の紙を取り出して、丸いテーブルの上に置いた。
銀縁眼鏡のとても真面目そうな男性だ。
プロフィールには、岩田護、三十三歳、身長百七十二センチ、職業は小学校教員と書かれている。
「どうかしら。写真だと神経質っぽく見えちゃうけど、根はとても気さくなお方なのよ。それにね、岩田さんは職業柄いろんな性格の人と付き合ってると思うの。だから、綾瀬さんみたいな性格を持ってらしても、先生なら戸惑うことなくどーんと受け止めてくださるわ。あなたにピッタリだと思うの!」
佐藤さんは、弾丸のように言葉を連ねて『最適!』と太鼓判を押してくる。
『Lサポート』の佐藤さんと約束がある日だ。
「綾瀬奈津美さん。十四時から。担当は佐藤ですね。はい、二十五番の部屋でお待ち下さい」
受付で番号札を受け取って小部屋で待つ。
パーテーションのような薄い壁のせいか、隣で面談している声がボソボソと微かに聞こえてくる。たまに笑い声もあって楽しそう。
話の内容までは聞き取れないけれど、隣は男性会員さんのようだ。
入り口側の椅子に座っていると、間もなく佐藤さんが入ってきた。
ぽっちゃりした顔にショートカット。
こんにちはー綾瀬さん!と、今日も愛想のいい笑顔を見せてくれる。
「こんにちは」
「それでね、早速なんですけど。このお方が、お会いしてみたいと仰ってるの」
佐藤さんは、抱えている書類ケースの中から一枚の紙を取り出して、丸いテーブルの上に置いた。
銀縁眼鏡のとても真面目そうな男性だ。
プロフィールには、岩田護、三十三歳、身長百七十二センチ、職業は小学校教員と書かれている。
「どうかしら。写真だと神経質っぽく見えちゃうけど、根はとても気さくなお方なのよ。それにね、岩田さんは職業柄いろんな性格の人と付き合ってると思うの。だから、綾瀬さんみたいな性格を持ってらしても、先生なら戸惑うことなくどーんと受け止めてくださるわ。あなたにピッタリだと思うの!」
佐藤さんは、弾丸のように言葉を連ねて『最適!』と太鼓判を押してくる。