恋かもしれない
「どうして……」

「はい?」

「うわっ、あ、あ、えっと、あの、どうして、Lサポートに? あの、松崎さんなら、その、お相手に困らない、と思います」

どぎまぎしながらも言葉を捻り出すと、松崎さんは一瞬ポカンとしたあと破顔した。

「あはは。ありがとうございます。俺はそんなことありませんよ。それを言うなら、綾瀬さんこそ。相手に困らなそうだ」

「は。私、ですか?」

キョトンと訊ね返すと、松崎さんは肯定の相槌をうちながら、私の背後に向かって、すっと手を挙げた。

店員さんが来て、空になった皿を片づけて行くのを待った後、松崎さんは「すみません」と言って頭を下げた。

何に対して謝っているのかさっぱり分からず、おろおろしながら、名前を呼ぶと、彼は姿勢を戻した。

それが今までになく渋い顔つきをしている。

「あれは、あなたを一人にした俺が悪いですね。さっきの二人組の男ですよ。俺には内容まで分かりませんが、何だかんだとしつこく話を引きのばしていたんじゃないですか?」
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