恋かもしれない
「あ……はい。それが?」
「俺も男なんでわかるんですが。綾瀬さんは、すごく目立つ人です。あそこであなたが待ってる相手が女性なら都合がいい。食事に行きましょうと誘った筈ですよ。それの証拠に、綾瀬さんに近付く俺を見て、あいつらはすぐに逃げて行きました」
「あ、そう……なん、ですか……」
「それから、俺がLサポートに登録した理由ですが。そうだな……綾瀬さんと同じ、ですよ」
「一緒……そう、ですよね。変な事を訊いて、すみません」
――出会いを求めて――
誰もがそうで、それは当たり前のことで、他に理由なんてない。
バカなことを聞いてしまった。もしかしたら失礼だったかもしれない。
テーブルにはデザートと珈琲が運ばれてきている。
小さなカップに入った桃のアイスを少しずつ突いているうちに、松崎さんはあっという間に平らげてしまって、今は、外の景色を見ながらゆっくりと珈琲を飲んでいる。
つられて窓の外を見ると、キラキラと光る湖面に、龍みたいな装飾の派手な遊覧船が浮かんでいた。
「綾瀬さんは、その後どうですか。アドバイザーから紹介受けてますか」
「はい、三十日に会う予定が、あります」
「三十日って今度の土曜ですか!」
頷いて見せると、相手はどんな人ですかと訊いてきた。
アドバイザーの佐藤さんから見せてもらったプロフを思い出して、職業と年齢だけを伝えると、そうですかと言ってそのまま黙ってしまった。
「俺も男なんでわかるんですが。綾瀬さんは、すごく目立つ人です。あそこであなたが待ってる相手が女性なら都合がいい。食事に行きましょうと誘った筈ですよ。それの証拠に、綾瀬さんに近付く俺を見て、あいつらはすぐに逃げて行きました」
「あ、そう……なん、ですか……」
「それから、俺がLサポートに登録した理由ですが。そうだな……綾瀬さんと同じ、ですよ」
「一緒……そう、ですよね。変な事を訊いて、すみません」
――出会いを求めて――
誰もがそうで、それは当たり前のことで、他に理由なんてない。
バカなことを聞いてしまった。もしかしたら失礼だったかもしれない。
テーブルにはデザートと珈琲が運ばれてきている。
小さなカップに入った桃のアイスを少しずつ突いているうちに、松崎さんはあっという間に平らげてしまって、今は、外の景色を見ながらゆっくりと珈琲を飲んでいる。
つられて窓の外を見ると、キラキラと光る湖面に、龍みたいな装飾の派手な遊覧船が浮かんでいた。
「綾瀬さんは、その後どうですか。アドバイザーから紹介受けてますか」
「はい、三十日に会う予定が、あります」
「三十日って今度の土曜ですか!」
頷いて見せると、相手はどんな人ですかと訊いてきた。
アドバイザーの佐藤さんから見せてもらったプロフを思い出して、職業と年齢だけを伝えると、そうですかと言ってそのまま黙ってしまった。