恋かもしれない
お見合い
月曜日。午後三時の事務所の中。

私はパソコンとにらめっこ中で、美也子さんは北欧のバイヤーと電話中。

この時間、いつもなら私は事務処理を終えて他の仕事をしているのだけど、今日はパソコンの前から離れられずにいる。

ショップ更新と一緒にサンキャッチャーをブログで紹介したら、この土日で大量のお問い合わせメールが入っていたのだ。

こうして返信作業をしていても、リアルタイムでぽつぽつメールが入ってくる。

それぞれの内容は似ているけれど違うので、一件ずつ読んで丁寧に対応していく。

ビンテージのサンキャッチャーは、ガラス製品。

手作り感満載のイビツな丸が多いけれど、厚さの微妙な違いがなんとも優しい光を生むのだ。

近年の大量生産された既製品とは違う味がある。

飴のように彩りが綺麗だけれど、気泡が入っている。

模様もハートや花などがあって、飾りものとして見てもとても可愛い。

「奈っちゃん、聞いて! 思ったより多く手に入りそう!」

電話を終えた美也子さんが弾んだ声を出した。

「わあ、さすが美也子さん、すごいです! 良かったぁ、たくさん要望が来てるんです」

これお願いしますと要望リストを渡すと、ざっと目を通して嬉しそうに笑った。

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