恋かもしれない
「こんなに反響があるなんて思わなかったわね。現代もののサンキャッチャーの紹介もしたのに、やっぱりここはビンテージに人気が集まるわね。ね、これ、訳したものをメール添付してバイヤーに送るから、奈っちゃん一覧表にしてくれる?」

「はい。お任せください」

返されたリストを机の上に置くと、美也子さんは私の手もとを見て、あ!と声をあげた。

「やだ~、奈っちゃん。そのボールペンすごく可愛いじゃないの! これ、どうしたの?」

興味深々な様子で見ているので、持っていたボールペンを渡すと「どこで買ったの?」とキラキラの目で眺めている。

さすが雑貨好きな美也子さん。北欧雑貨だけでなく、こういうキャラクターものにも興味を示してくる。

私が持っていたのは、赤い金魚の絵柄のもの。

ノック下の辺りに、赤くて透明なプラスチック素材の小さな出目金がボールチェーンで繋がれている。

よくあるタイプのものだけれど、この出目金がふらふら揺れるとすごく可愛いのだ。


「あ、えっと。その、それは、いただきもので……買ったというわけではないんです」

「もしかして。昨日例の男性にいただいたの?」

「あ、はい、そう。あの、使ってくださいって……いただきました」

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