恋かもしれない
「迷惑ではないです。けど、そんなに、なにを気にして?」
「綾瀬さん、動かないでください」
は?と声を出した瞬間、一歩で近付いてきた松崎さんが私の手をぎゅっと握って少し引っ張った。
不用意だったこともあってふらついた私は、そのままぽすんと松崎さんの胸にぶつかってしまった。
動かないでと言われたのに、超どんくさい。
慌てて離れようとするけれど「ごめん、暫くこのままでいて」とささやくように言った松崎さんの腕が背中に回ってきて、しかも手が握られたままなので動こうにも動けない。
あまりにも唐突なことで思考が止まってしまって、声も出せないでいると、握られていた方の腕が水平に伸ばされた。
「ここ、痛くないですか。薬は塗ったんですか?」
「な、なにがですか?」
「何がって日焼けですよ。白い肌が赤くなってるじゃないですか」
「これ、冷やしたんです。だから、大丈夫なはず、です」
正直火照っていて少しだけ痛いけれど、日焼け止めをしていたから、それほど大事にはならないはずだ。
それよりも、今のこの状態の方が大変だ。松崎さんのシトラスの香りと夏の熱気とドキドキで上手く息が出来なくて、酸素不足になって頭がくらくらしてきた。
「綾瀬さん、動かないでください」
は?と声を出した瞬間、一歩で近付いてきた松崎さんが私の手をぎゅっと握って少し引っ張った。
不用意だったこともあってふらついた私は、そのままぽすんと松崎さんの胸にぶつかってしまった。
動かないでと言われたのに、超どんくさい。
慌てて離れようとするけれど「ごめん、暫くこのままでいて」とささやくように言った松崎さんの腕が背中に回ってきて、しかも手が握られたままなので動こうにも動けない。
あまりにも唐突なことで思考が止まってしまって、声も出せないでいると、握られていた方の腕が水平に伸ばされた。
「ここ、痛くないですか。薬は塗ったんですか?」
「な、なにがですか?」
「何がって日焼けですよ。白い肌が赤くなってるじゃないですか」
「これ、冷やしたんです。だから、大丈夫なはず、です」
正直火照っていて少しだけ痛いけれど、日焼け止めをしていたから、それほど大事にはならないはずだ。
それよりも、今のこの状態の方が大変だ。松崎さんのシトラスの香りと夏の熱気とドキドキで上手く息が出来なくて、酸素不足になって頭がくらくらしてきた。