恋かもしれない
人と会うって、相手は女の人なのかな。

もしかしたら、Lサポートでお見合いするのかもしれない。

失敗続きの私と違って、すぐにお相手が見つかりそうだ。

そう考えると、なんだか胸がもやっとする。

「私、もっと努力しなきゃ」

部屋に戻ってさっそく頂いた軟膏を塗る。

〝良くない〟というのは、日焼けするから良くないってことだったのかもしれない。

今日の松崎さんは本当に変だった。

〝覚えていて〟なんて、言われなくても絶対忘れられない。

それにあのとき言った〝やーそくなでい〟が何なのか、とても気になる。

スウェーデン語なのかもしれない。あとから調べてみよう。

軟膏を仕舞って冷たい麦茶を飲んでひと息ついたあと、何気なく置きっぱなしにしてあるスマホを見ると不在着信が一件あった。

確認するとLサポートと表示されている。

「佐藤さんだ。今日のお見合いのことかも」

最悪の結果を予想しつつすぐに電話をすると、『こんにちは~!』と、佐藤さんの明るい大きな声が耳を突き抜けて、スマホを少し遠ざけた。
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