もしも 願いが叶ったら
数日後、制作発表が行われた。
あたしたちは手をつないで会場入りし撮影の時同様のラブラブぶりをアピールした。
質問はやっぱり真相についてで、
「一部の週刊誌によるとお二人はプライベートでもお付き合いをされていると報じられていますが、本当のところはどうなんですか?」
「かなえは京一朗にとってかけがえのない存在です。」
「そうではなくてプライベートを…。」
「本当に仲良くしてほしいと作者の方から言われていますので、今は本当に彼女を愛しています。」
彼の言葉にフラッシュの嵐
あたしは堂々と愛していると言ってくれた彼の言葉に涙が出そうになった。
テーブルの下で繋いでいた手に力がこもった。
あたしは少しでも長く彼に愛されていたいと思った。
質問も終わり写真撮影。こんなリクエストも多かった。
「二人見つめ合ってください!」
「キスしてるとこ撮らせて下さい!」
普通では考えられないリクエストにあたしたちは答えた。
キスなんてあれから一度もしていなかった。そんなシーンがなかったから。
だから、すごく緊張してたら彼がニコッて笑った。
大丈夫って言われてるみたいでなんかホッとした。
こんなに大量のカメラの前ですることになるなんて・・・。
キスをすると相手気持ちが直で伝わってくる。自分の気持ちもよくわかる。
やっぱりあたしは・・・朔夜が好き。