もしも 願いが叶ったら
「カット!」の声がかかりクランクアップ。すると、
「皆さんご協力ありがとうございます!公開プロポーズ成功です!!」
実は、最終話にはもう一つの台本が存在していた。
それを書いたのが、朔夜だった。
あたし以外の皆はもっていて(もちろん、河合さんも)、
綿密な打ち合わせをして今日に望んだらしい。
今日のカメリハもあたしも台本通りだったのに・・・。
すっかり、しっかりあたしは騙された。
だから、校長室の回想シーンも本当は、かなえを守るために、
京一郎は嘘をつく筈だったのに、
「確かに岬さんと付き合っています。でも、真剣なんです。
僕は彼女にプロポーズをします。幸せにしたいんです。
ですから、卒業させて下さい。お願いします!」
と台詞が変わっていて、かなえがいない間に両親に
挨拶に行くシーンまで撮っていた。
『だから、両親には改めてだったのね・・・。』
しかも、両親の演技もすごい細かくてこだわりがあった。
あたしは、圧倒されてしまった。
おかげで、本当にリアルなドラマが出来た。