もしも 願いが叶ったら

「カット!」の声がかかりクランクアップ。すると、


「皆さんご協力ありがとうございます!公開プロポーズ成功です!!」


実は、最終話にはもう一つの台本が存在していた。
それを書いたのが、朔夜だった。
あたし以外の皆はもっていて(もちろん、河合さんも)、
綿密な打ち合わせをして今日に望んだらしい。


今日のカメリハもあたしも台本通りだったのに・・・。
すっかり、しっかりあたしは騙された。


だから、校長室の回想シーンも本当は、かなえを守るために、
京一郎は嘘をつく筈だったのに、

「確かに岬さんと付き合っています。でも、真剣なんです。
 僕は彼女にプロポーズをします。幸せにしたいんです。
 ですから、卒業させて下さい。お願いします!」


と台詞が変わっていて、かなえがいない間に両親に
挨拶に行くシーンまで撮っていた。


『だから、両親には改めてだったのね・・・。』


しかも、両親の演技もすごい細かくてこだわりがあった。
あたしは、圧倒されてしまった。


おかげで、本当にリアルなドラマが出来た。














< 25 / 27 >

この作品をシェア

pagetop