イケメン鬼課長と恋愛小説。
恋愛小説のように……。

私は、子供の頃から漫画が好きだった。
中学に上がってからは、恋愛小説にハマった。

イケメンで実は、優しい不良少年との
胸キュンストーリー。

大人になるとイケメン社長や
危険で甘いオフィスラブなど……どれを通しても
夢いっぱい詰まっている。


私もこんな恋がしてみたいなんて
この年になっても思ってしまうものだ。

「おい、加藤。
頼んでおいた書類は、出来ているのか!?」

「あ、はい。ただいまお持ちします!!」

おっと……ヤバい、ヤバい。
今は、仕事中だった。

電話や社員達の声にうるさい中。
課長の怒鳴り声が聞こえてきた。

小説のことを考えていて
危うく課長に説教されるところだった。

鬼課長と名高い篠崎課長は、
我が営業部でも怖いと評判だった。

だが、若くして出世しており背が高く
整った顔立ちをしているイケメン。
部下や上司の信頼も厚い。

そのため私を始め女性社員からも
人気が高かった。

怒鳴られるのは、嫌だけど
今日もカッコいいなぁ……なんて
密かに想っていた。

あんな人と恋が出来たら……。

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