幸せの華
「皆は…その…ママの事を知ってる?」
「心さんの事は知っているが今どこで何をしているかという問いなら答えられない…」


麗華の問いに楓は答えるが自分が思っていたのとは違う答えが帰ってきた。
その答えに寂しそうな顔をする麗華を皆は見ているしかできなかった。


「場所は分かりませんが昔1つだけ聞いた事があります。」


そんな優の言葉に反応し麗華は優を見つめる。
そして聞かされた言葉はこうだ。



「我ら吸血鬼は禁忌を犯した場合、又は30回目の生誕を迎えた時、あちらの世界から迎えが来ると」



そんな優の言葉に驚きを隠せない麗華。
それもそうだ麗華の母、心が消えたのは30の誕生日の次の日なのだから。
両親は共に18歳で麗華を産み、麗華が8歳の時に父を亡くし、12歳の時に母は消えたのである。
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