影を拾った太陽
学校、行きたくないな。
成瀬くんのこともそうだけど、桐ヶ谷くんに見られたことがショックで。
二人とも顔を合わせたくない。
どんな顔すれば良いのか分からないよ。
「光凛、早く用意しなきゃ遅刻するわよ」
「あ、うん」
朝ご飯をちまちま食べていると、お母さんに注意された。
体調不良でもないのに、学校行きたくないなんて言えない。
今までズル休みとかしたことないし、そんなことお母さんが許してくれるわけない。
別に固い人じゃないけど、そんなズルをする子は嫌いって言うから体調が崩れない限り言えない。
「ほら、迎え来ているんだから早くしなさい」
「え?」
迎え?一体誰が?
ガチャ
疑問いっぱいで家のドアを開けると
「え、えぇ!?」
な、何で!?
何で桐ヶ谷くんがいるの?
「うるせぇな。でかい声出すなよ。近所迷惑だろ」
「ご、ごめん……」
いや、あの、それはそうなんだけどさ、何でここに桐ヶ谷くんがいるのか理解できないんだよ。