影を拾った太陽
普段は制服だから分からなかったけど、結構オシャレなんだな。
水色のパーカーにチェックのシャツを合わせて、下は紺のジーンズ。
まるで雑誌のモデルなんじゃないかと思うくらいに。
「おせぇよ」
「えぇ。まだ待ち合わせ時間から五分しか経ってないよ」
その横に並ぶ桐ヶ谷くんもオシャレで。
さっきは驚いて良く見ていなかったけど、とてもカッコイイかも。
黒のパーカーも似合っているし、その下のドクロのシャツもカッコイイしダメージのジーンズもカッコイイ。
男の子と学校以外で会ったことなんてないから、こんなオシャレな人達と遊びに行くことになるなんて。
「さっきから何見ているのぉ?もしかして桐ヶ谷くん?」
「へ!?ち、違うよ!」
ダメダメ!愛依は桐ヶ谷くんが好きなんだから、私は自分の気持ちを殺さなきゃ。
でも、愛依はこの前のこと怒ってないのかな。
何もなかったように話して来てくれるけど。
遊園地に誘ったのは仲直りしたいからって言っていたけど、まさかまだ……。
「この前はごめんね?あんな酷いことしちゃって」
顔の前で手を合わせて謝罪のポーズをする愛依。