影を拾った太陽
ようやくやって来た昼休み。時計を五分おきに見ちゃったよ。
愛依と別れ、空き教室に向かった。
桐ヶ谷くん、喜んでくれるかな。
初めて作るおかずばかりだから、少し不安だ。
ガラガラ
「桐ヶ谷くん?」
「おー、もう昼休み?わり、寝ていた」
私が来たのに気づいて、伸びをしながら挨拶する桐ヶ谷くん。
相変わらず、よく寝る人だなぁ。
「なんか今日の弁当でかくね?」
桐ヶ谷くんは私の手元を見ながら、驚く表情を見せた。
い、言えないよ!楽しみすぎて張り切って作ったなんて!
そっか。いつもオムライスとかだけだったからこんな大きなお弁当箱に入れて来たら、すぐバレるんだ。
でも、今更小さいのに入れ替えるなんて無理だし。
というか、せっかく頑張って作ったおかずを減らしたくない。
ええい! ここはくどくど言わずに!
「う、うん。いっぱい作ったから」
うわぁ。引かれるかなぁ。
こんなこと言われたら、引くよね。やっぱ言わなきゃ良かったかも。
「へぇ?そんなに楽しみだったんだ?」
ドキッ
桐ヶ谷くんのニヤリという表情に、思わず心臓が跳ねる。