影を拾った太陽
だから、机の上に乗るのやめてよね。














「まさか、もう今後飯作らないとか思ってねぇよな?」







「……その通りだけど」







よく分かっているじゃない。
もしかして、桐ヶ谷くんって人の心読める人?







「ありえねぇんだけど。昨日言ったよな?お前の料理採点してやるって。一品だけじゃ、お前の料理の実力分かんねぇんだけど」









別に採点して欲しいと頼んだ覚えもないし、桐ヶ谷くんに私の料理の実力を分かって欲しくもないよ。










今日作って来たのだって、ムカつくことばかり言ってくる桐ヶ谷くんを見返してやろうと思っただけだし(まぁ見返せなかったけど)。










「桐ヶ谷くんに採点してもらわなくても生きていけるから。明日からもう、絶対ここには来ないで」






そう言ってお弁当を持って教室を出た。








あれ以上いたら、またムカつくことを言われるに決まっている。






そして、また上手く乗せられるんだ。










だから、今日はとりあえず逃げた。











明日こそ平和な私の秘密基地が戻ってくるよね?

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