影を拾った太陽
二年になって、奇跡的に綾瀬と同じクラスになった。



俺は嬉しくて教室に行きたかったけど、光大にバカにされるのが嫌で行かなかった。




光大は多分、いや絶対俺の気持ちに気づいている。



だからこそ、二年になって急に教室に行くようになれば勘の鋭い光大に気づかれるに決まっている。




俺は我慢して、授業をサボっていた。



だけど、それは俺にとって正解だったかもしれない。







どこでサボろうかと学校内をうろうろしている時、偶然見つけた廃校舎の空き教室。




幽霊が出るという噂のせいで誰も来ないこの場所は、サボるのには最適だった。






机の山を使って睡眠を取っている時、誰かが入って来る気配がした。




先生かと思ったが、こんな所にわざわざ来たりはしないだろう。



「あ、今日はミートボールだ」





すると、嬉しそうに言う女の声がした。






って、この声って……。
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