影を拾った太陽
昼休み。



空き教室に向かう途中、クラスの女子と他のクラスの女子数人に捕まって女子トイレに連れて来られた。




そして、無言のまま五分が経っている。





私に用があるなら、早く何か言って欲しい。じゃないと、お弁当食べる時間なくなっちゃうし。


「あんたさぁ、謝る気とかないわけ?」



はい?何を謝れと?
もしかして、桐ヶ谷くんのこと?



確かに桐ヶ谷くんを好きな女子からしたら私なんて目障りな存在かもしれないけど、だからって謝らなきゃいけないことじゃないよね?





別に、この人達に何か悪いことしたわけじゃないんだし。





「何とか言いなさいよ!」




バンッ!




「いたっ」



突然、女子の一人に突き飛ばされた。



私の目の前、つまり女子グループ数人の中心にいる人。
多分この中でもリーダー的存在。





「あんたみたいな地味女が構ってくれると思ったら大間違いなんだよ!」




だから、その子が暴言を吐いても誰も何も言わない。
もちろん、私の髪の毛を掴んでも。



女子なのに、こんなに強い力が出るんだ。


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