影を拾った太陽
「は?誰?っていうか、何で俺の名前知ってんの?」
……この人、自分が人気者だって自覚ないの?
この学校の人なら、あんたのこと知らない人なんか絶対いないって!
「つーか、出て行ってくんない?睡眠の邪魔」
無愛想、というより失礼じゃない?
いきなり出て行けなんて。
そんなに寝たいなら、保健室に行けば良いのに。
ていうか、ここは私の秘密基地なんだし奪われたくない。
でも……
「聞こえないの?俺が言ったこと」
睨みを利かせる彼に、あなたが出て行ってくださいなんて言えるわけもなく。
私が出て行くしかなかった。
今日だけ
今日だけだよ。
明日からまた、平穏な生活が戻ってくるんだから。
でも、そんな私の願いは一瞬にして崩れることになる。