影を拾った太陽
翌日



これ、は……完全に奪われちゃった?





今日もまた彼氏と過ごすという愛依を見送って、空き教室に来たけど、そこにはいつも私が座っている椅子に座って携帯をいじる桐ヶ谷くんの姿があった。








確かにサボるにはこの場所は最適かもしれない。




先生だってまさか生徒がここに来ているなんて思わないだろうし。





でも!
だからって、私の秘密基地を奪っても良いわけじゃない!




き、今日こそは言わなきゃ!
ここは私の秘密基地だって!



「あ、あの!」




「あ?」




ひぃぃぃぃ! 怖い!





どうしてみんなこんな怖い人に、カッコイイなんて言えるのぉ!




「何だよ、またお前か」






うっ。そんな迷惑そうな顔しなくても。




私だって、迷惑なんだから。










「で、何? 俺になんか用?」



うぅ。
死ぬほどムカつくのに、言葉にできないのが悔しい。





だけど、ちゃんと言うんだ!
私の大切なこの場所を奪われないために!





「こ、ここは!私の秘密基地なの!だ、だから、で、出て行って!」





睨まれるのが怖くて、目を瞑って言った。



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