影を拾った太陽
でも、それが一体どうしたって言うの?




「はぁ。お前、意外と鈍いんだな」




イラッ



どうせ私は鈍いわよ!
でも分からないんだもん!
仕方ないじゃない!





「全部光大がやったんだよ。この教室のドア閉めたのも、俺らの携帯圏外にしたのも」




「えぇ!?」




そ、そんな!





成瀬くん、どうしてそんなことを!?





じ、じゃあ私をここに来させたのも閉じ込めるため?





な、成瀬くん悪い人だったの?





チャラいけど、人を傷つけることは絶対しないと思っていたのに。




「でけぇ声出すなよ。鼓膜破れるだろ」




「だ、だって!」





そりゃでかい声も出るよ!





まさか犯人が成瀬くんだなんて!





「まぁ、とにかく何とかやり過ごすしかねぇな。お前、なんか食いもん持ってねぇの?」




「はい?」





この人、この状況で何か食べる気?





その余裕さ、全然分からない。





「何も持ってないよ」




そう言うと、桐ヶ谷くんはありえないという顔をした。




こっちからしたら、この状況で何かを食べようとすること自体ありえないんだけど。








「しょうがねぇか」






そう言いながら、寝転ぶ桐ヶ谷くん。



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