影を拾った太陽
……。
何、この気まずい沈黙。
え、えっと、何か話した方が良いのかな。
でも、話題なんて、ないし。
えっと……。
この際だから、愛依のこと聞いちゃおうかな。
「き、桐ヶ谷くん。あの……」
震える声で沈黙を破った。
き、緊張してきた。
「あ、あのね、め、愛依のこと、どう思っているの?」
「……」
返事がない。ただのしかばねのようだ。
って、いや違う!
死んでないし!
某ゲームの一文みたいなのが出てきたけど、違うから!
何でこんな静かなの?もしかして寝ている?
「桐ヶ谷くん?桐ヶ谷くーん」
何度呼んでみても、やっぱり返事はない。
耳を澄ましてみると、小さく寝息のような音が。
やっぱり、寝ているんだ。
信じられない。
この状況で寝ちゃうなんて。
だけど……本当に綺麗な顔しているなぁ。
初めて近くで見た時はただ目つきの鋭い怖い人だって思っていたけど、よく見たらまつ毛が長くて、肌がプルプルで綺麗。
女の子よりも顔が整っている気がする。
「っ、はぁはぁ……」
その時、突然桐ヶ谷くんが息切れし出した。
え、き、桐ヶ谷くん!?
よく見ると、汗が滲んできている。
もしかして、これって……。