影を拾った太陽
校舎裏でのことが未だ理解できず、授業なんてもちろん集中できなかった。
そしてあっという間に放課後。
「ねぇねぇ成瀬くーん。カラオケ行こぉ?」
ビクッ
前までは何とも思わなかったのに、あの昼休みの一件から女子が成瀬くんの名前を呼ぶ度体がいちいち反応してしまう。
何でこんなドキドキしてんの?
「ごめんね。今日は先約があるんだ」
成瀬くんの名前だけじゃなく、声を聞いても体がいちいち反応する。
私、桐ヶ谷くんのことが好きだったんじゃないの?
それなのに、何で成瀬くんに……。
こんなに優柔不断な人だったの?
「光凛ちゃん?どうしたの、暗ーい顔して」
「ひゃあ!?」
突然成瀬くんの顔がドアップで映されて思わず、飛んで反応してしまった。
おかげで近くの机や椅子に当たって、体中が痛い。
でも、今はそんなこと気にしている場合じゃない。
だって!だってこんなイケメンがあんな間近に!