私のハッピーエンド
「ちょっとだけ本屋に寄ってもいい?いいでしょ?」

バッドエンドは嫌いだけど読書は好き。

つまんない本を買っちゃって読んじゃったから今度は失敗しない買い物をしよう。

ちょっと考えた素振りを見せてから蓮は言う。

「俺も欲しいものあった気がするから、行く」

「‥うん」

駅の中の本屋に入った。

蓮はてくてくって途中まで私の後ろをついてきて、ハッと何か思い出したような感じで、私達は途中で分かれた。

私は比較的年齢層が若そうな文庫へ。


蓮は有名小説家のミステリー小説へ。

私はあまりミステリーとかは読まないから、よく分かんないけど。

棚を順に見ていくと、持ってる本も結構あって、ちょっと優越感?を感じた。

正直、お話の内容は買ってから読みたい派だから、買う決め手は表紙の絵とタイトルが多い。

今日もそんな感じで買おうと思っていたら声がした。

「菜野ー、買い物終わったら、俺向かいの店いるから、来て」

すでに蓮は会計を終えたようだった。

持ってるレジ袋に視線を落とすと、見たことないミステリーっぽい小説ともう一冊。









あの本だ。私がつまんないって言ったあの本。。

つまんないって言ったのになんで買うんだろ。そもそも読まないって言ってたのに。

「菜野??」



「あ、ああ、早いね、分かった、私はー、あと少し‥で終わるから、悪いんだけど待っててー」

両手のひらを合わせて蓮に向けた。

蓮は片手でOKサインを作って私に向け、言葉通り向かいのファストフード店に行った。

急がなきゃ、待たせてるのはちょっと気分悪い。

これでいっか。前が少しあれだったから今回はちゃんとゆーっくり決めたかったけど仕方ない。

並ばずにすいすいーとレジに向かい、1冊出してお金を出した。

私の後ろにはいつの間にかレジ待ちの行列ができていた。

店員さんが確かめている時、「あっ」と声を出してしまった。


「あ、あ、あの、すこし待っていていただけますか」

と、本来済ませた後に出てくるはずの出口から、走って、向かった。

そして一冊の本を見つけ、手に取りレジへ向かった。

「菜野、遅い‥え」

蓮はびっくりしたようだった

なぜかって?

私の後ろに人がいっぱい並んでるのにも関わらず私がもどって本を追加するっていう大迷惑な事をしたこと。

あとは‥‥私が「つまんないでしょ」って言った蓮が読んでたミステリー小説を手に取ってること、かな
< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop