日常【BL】
「1人で行って来いよ。俺、ここで待ってるから」
「いいけど。俺のしか持ってこないぜ」
「げーッ、反則! んで、歩き難ッ」
クスクスと笑う祐志は、それでも手を離さない。
段差に突っ掛かった俺に、腕を掴む手には更に力が込められた。手さえ放してくれればコケないんだけど、という言葉は取りあえず呑み込んでおく。
……だって。しょーがないじゃん。
なんだかそれは、とても居心地のいい空間だったんだから……。