放課後のきみ

でも…


「本当に、出ないんですよね…?」


本当に本当なのか、もう一度聞いた。


「出ないって。…あ、そういう系ダメなんだ?」


そう言って、クスクスと笑ってくる先輩。


ムカ


「いいえ?平気です!」


なんか馬鹿にされた感じで少し腹が立った。


「嘘下手だね」


あ、


「え…本当、です…から」


ふと見せた先輩の笑顔が


「噛んでるじゃん」


ふわっと優しく笑った笑顔が私の思考を一瞬止めた。


あーやばいな…


「どうしたの?」


もっと笑って欲しい…


「おーい」


もっと見たい


「ねぇー!」


その笑顔が………


「わっ!」


「え?何?」


「わわわわわわわっ!」


何?どうしたの自分!
おかしいでしょ!


「え?!仲里さん?」


おかしいおかしい


「え、帰るの?!」


おかしいおかしい


「え、ちょっ…」


ガタン!


「えー?」


一人残された高瀬。


「ん?」


出入口のところに何かが転がっていた。


.
< 102 / 203 >

この作品をシェア

pagetop