放課後のきみ

美優はいつの間に、荷物を手に取り教室を飛び出していた。



―バタバタバタ



なんなの?
おかしいって!

笑顔が見たいって、もっと見たいって?!

なに?キモいから〜!





あれ…?


ふと、足が止まる。


私…教室出た?
いつの間に…?

荷物も持ってるし

無意識とか……重傷でしょ



「あーぁ」


私なにやってんだろ…


昇降口まで走ってきた美優は、頭を抱え、その場にしゃがみ込んだ。


外からは部活をしている人達の声。


「はぁー…」


ため息がこぼれる。


「帰ろ…」


そう思い、立ち上がった。
すると…


「あれっ?!」


かばんに付けていたキーホルダーがない。


よく見ると、


トップのキャラクターのマスコット部分がなかった。

チェーンだけがかばんに残っていた。


切れてる
どっかで落とした?
あー最悪スギ…


靴箱へと一度向けた足を、反対側へと戻した。


.
< 103 / 203 >

この作品をシェア

pagetop