放課後のきみ

しかし、キーホルダーはどこへ行ったのやら…


四階への階段に落ちているのか、あの教室にあるのか……


「はぁー…」


「もー!ため息ばっか!あたしにも移っちゃうよ」


隣からは怒ったような、呆れた感じで美月が言った。


「…最近ねーため息ばっか出るんだよねー」


「なんかあったのー言いなよー?」


「うん。大丈夫だよ…ありがと」


言わない。
言えないよ、今更。


本当はあの場所を知られたくないだけ


親友が心配してくれているのに…ただのワガママ


「無いようには思えないけど…言えるようになったらいつでも聞くからね?」


「………ありがと」



ごめんね。美月…


.
< 109 / 203 >

この作品をシェア

pagetop