放課後のきみ

優斗は美優が眠るソファーに近付く。




「スースー」



……寝かせておくか



あまりにも気持ち良さそうな美優の寝顔が、優斗をそうさせた。



優斗は物音を立てないよう慎重に、椅子を窓の方へと持って行った。


そして、ここから見える校庭を見下ろした。



『もーいっぽーん!』


『ファーイトファイトー!』



がんばってんなー…


と、少し感心した。



ふと、美優が気になり、そちらに目を向けた。



……寝てる



「はぁー…」


ため息をひとつつき、優斗は、制服のポケットに手を入れ、何かを取り出した。


.
< 123 / 203 >

この作品をシェア

pagetop