放課後のきみ

そして、美優の前まで来ると、その場にしゃがみ込んだ。



「大丈夫?」


優しく、心配した声で美優に問いかけた。


「ぇ……ぁ、はい」


たどたどしい返事を返し、美優は体だけを起き上がらせた。


せ、先輩…近っ!!


そんな目の前でしゃがみ込まれてもさ……


「肩…痛めたんじゃない?」


肩…?
あ、確かに打ったな


「大丈夫ですよ!たいしたことじゃないし、もう痛くないんで!!」


「本当?」


それでも心配そうな先輩。


「本当に大丈夫ですから!てか恥ずかしいところ見せちゃって……すみません…」


「いや、……俺も…最初ソファーから落ちてたし」


「…! あ、そうでしたね」


「もうあそこで寝ちゃダメだよね」


「そうですね」


笑いながら美優は答えた。




先輩といると、穏やかっていうか…落ち着いた気持ちになれるな…


どうしよ……
先輩が来てくれて、私…すごい嬉しい…


美優のその喜びは笑顔となって表れるのであった。


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