放課後のきみ

「大丈夫なら良かった…あ、そういえば」


「?」


優斗は美優のかばんに置いたマスコットを手に取った。



「これ」


先輩は、何かを自分の顔の横に持ってきた。


美優はそれに目をやった。


「…! あっ」


それは、なくなったキーホルダーのトップだった。


「昨日落として帰っちゃったでしょ?」


「ぇ、あ…ここに落ちてたんですか?」


「うん。昨日すごい勢いで帰ってったとき、落ちたみたい」


「あー、すみません…」


「どうしたの?昨日」


それ、私が聞きたいくらいなんだけど…


「いやー私もよく分かんなくて…気付いたら教室出てて……」


変な奴だって思われちゃったかな……?



「……あ、俺がいたのが嫌だった?」


「え?!そんな!違いますから!!」


予想外な先輩の問いかけに思わず声が大きくなってしまった。



「…よかった……じゃぁさ、これからもここに来てもいいかな?」


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