放課後のきみ
「え、何で…すか……?」
「ごめん」
「…もう、いいですから」
「泣かせるつもりなんてなかったんだよ」
急に先輩の口調が弱々しくなる。
しかし、それに反して、美優を抱きしめる力は強かった。
「もう泣いてませんよ」
美優の心臓は爆破しそうなくらい鼓動を速く打っていた。
「………」
「…先輩?」
「おーい!誰かいるのかー?」
え…何?
「やばい…先生だ……」
「ぇえ?」
「早く、逃げるよ」
「え、あ…」
優斗は美優を抱きしめていた腕を放し、美優の手を掴んだ。
ぇえ?!
手、手ぇえ!
その場を去った二人の後ろには、懐中電灯の光が見えた。
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