放課後のきみ
―パタパタ
教室の前まで着くと、立ち止まり、後ろを振り返った。
「もう追って来ないね」
「です、ね」
後ろには、先生の声も、懐中電灯の明かりも聞こえも見えもしなかった。
「「はぁぁあぁ〜」」
力が抜けた二人はその場に座り込んだ。
「あー焦ったあー」
安心しきった優斗の声。
「なんで分かったんでしょうね?」
「仲里さんが叫んだからでしょ?」
「……ぇ…そうなんですか?」
「うん」
「そんな、当たり前みたいに言わないでくださいよ!」
「だって当たり前じゃん」
「なっ?!元はといえば先輩が悪いんじゃないですか!」
「仲里さんが叫んだのが悪い」
「はぁ?さっきあんなに私に謝ってたじゃないですか!」
「そーだっけー?」
そう言いながら優斗は立ち上がり教室の扉を開いた。
「はぁー?!ちょっと待ってくださいよ!」
美優はその後ろを追いかけ、教室へ入って行った。
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