放課後のきみ

「ごめんね…忘れて?俺も忘れるから」


「……はあ」


自然とそんな声が出る。


意味分かんないってば………でも、聞かれたくないのかな?



あぁ、やっぱり聞くんじゃなかった……


「こっちこそ、すみません……忘れます」


そう、答えるしかなかった。


「仲里さんは悪くないよ」


うん……私もそう思う


「いや、そんな」


心とは反対なこと言ってしまう。


「ごめん……」


「いえ……」


「………」


「………帰ろうか」


「はい……」


なにこの空気………気まず


数分前とは打って変わったその空気に、美優は居心地の悪さを感じた。



なんだか、納得しないままさっきの話題は消え去った。


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