放課後のきみ

「無理ですよ」


おんぶとか、有り得ないから!


「歩けないんでしょ」


「そ、そうですけど…」


「痛いんでしょ?ヒリヒリするだろ?」


その問いに美優は静かに頷いた。


「じゃあ早く!」


優斗は少し強めな口調で言い放つ。


「え、でも…」


「朝までここに居る気?!」


「えぇ……」



「早く!バイキン体中に回っちゃうよ!」


「ぇえ……」


妙に説得力があると言うか……なんか無理矢理って言うか……


「はいっ」


優斗は両手を後ろに広げ、美優を待っている。


もー仕方ない!
ここは先輩に頼るしかない!


「すいません…重いっすよ?」


「一応男なんでね?楽勝だよ」


美優はその場から少しずつ足を優斗の背中の方へと向けた。


.
< 163 / 203 >

この作品をシェア

pagetop